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ブラック・ジャック 手塚治虫

  • 執筆者の写真: Admin
    Admin
  • 2017年9月5日
  • 読了時間: 4分

▶︎トレードに無関係だが一流の漫画家の作品。教養として見たく何日かに分けて全巻読破。この量を書き上げた手塚さんは凄い。今の時代にも色褪せることない迫力でありながら毎回1話完結。そして、その1話1話に論語並みの人生訓が込められている。人とは何か、人生とは何か、答えのない問いを漫画で表現している。そう、マエストロだね。手塚先生に、いかに生きるべきか教えてもらった。ヒューリスティックな部分がいかに重要で何よりも人を動かすこと。当たり前だけど大切なことを再確認させもらった。

<完全に手記(2015年)⬇というか感想というか俺の人生つうか>

・私は元医療者である。そして、また現場に戻ることは覚悟している。けれども、ブラック・ジャックにもあるように医療者にも限界があるのだ。人の運命を変えることは出来ない。いくら技術を学び知識を身につけてもだ。毎回、患者さんを目の前にして自分ができる最善の医療を施す。しかし、それでも一向によくならない患者さんが多い。そして、自分の不甲斐なさに絶望する。それを何度も繰り返しているうちに私はどん底に叩きつけられた。

・一番楽な医療は相手を患者として診ること。一人の人間として診ることではない。機械的にエビデンスが高い医療を施すだけ。そう、私に落ち度はない。やれることはやった。そう言い聞かす為に。しかし、現実は違う。目の前の患者さんは患者さんである前に一人の人間である。仕事も家族もある。人生を何十年も生きてきた人間である。そう考えた時に私は仕事場に向かう足が重くなった。いくら考えても答えがない人生のように、いくら勉強しても救えない人間がいる。やるせない気持ちに満たされる毎日。いつしか、医療を攻めるよりも自分自身を攻めるようになっていた。

・年を追うごとに後輩ができてくる。医療の現場ではベテランであろうが新人であろうが稼げる診療報酬は同じ額。自分の技術や知識を磨いても国家試験に合格したばかりのひよっこと同じ額しか稼げないのだ。

・知識や技術を身につけても治せない患者さんばかり。稼げない診療報酬。休日さえも勉強、自費での講習会や研修への参加。しだいに自分が何をしているのかわからなくなった。お金のために生きているのではない。己の人生を人の役に立つために生きたい。そんな心の中にある善とか良心とかと言われる信念のため、患者さんからの感謝の言葉、やりがいだけが張りつめ切れそうな糸を繋いでいた。

・しかし、ある日それは切れてしまった。いとも簡単に。特に落ち度もなく、仕事は順調であった。温和な雰囲気が漂い、確かに人生を歩いている実感はあった。けれども、私は逃げだした。きっと、穏やかな日々に安心してしまったから。ふと体の力が抜け、今まで張りつめていた糸が切れてしまったのだ。

・私は逃げるようにして職場から消えた。あんなに嫌だった病院も辞めるとなると少し寂しいもの。けれども、振り返りはしなかった。もう、ここに自分がいる動機はないと感じた。自分が成長できる部分はないと感じたからだ。そして、何よりこの場所に自分の人生を賭けるにはリスクが高くリワードが少なすぎた。

・そして、今に至る。確実性が高い人生から不確実な人生への転身。身が堅い生真面目な人間だと思っていた。投資を自分が勉強するなんて考えもしなかった。しかし、人生とはわからないもの。それが自分の今にぴたりと会う。まるで何年も前から私を待っていたかのように、ピースとピースが見つかり自然とパズルが揃った。

・トレーダーの経験、勉強を通して私は人間的に成長できると感じている。この何ヶ月かで恐ろしいくらい思考や思想に変化が見られてきた。特に精神面、成長する姿勢・信念だ。何度、失敗しても挑戦する毎日。医療を施していた日々には感じられなかったチャレンジ精神。これこそが私に必要な人間的成長だと感じている。そしてブラックジャックのように挫折しながらも患者さんのために前を向き続ける医療従事者になりたい。そのために真剣に真摯に謙虚に取り組みたい。


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